テクニックいろいろ

マスタード攻撃

地中性ミミズを効率よく捕まえる方法として、ミミズの坑道にマスタード水溶液を流し込む方法がある。
それを某大学の教授が実践してくれた。

Musworm1 まずは、粉末マスタードを水に溶けきるか切らないかギリギリの高濃度の水溶液にして、ミミズの坑道にドボドボと流し込む。

しかし、雨上がりのため地面がぬれていてなかなかマスタードの効力が効かないのかなかなか出てこない。

みんな半ばあきらめかけたそのとき、

Musworm2 出てきた!

Musworm3 フトミミズの一種ですね。
亜成体のため、種判別はできなかった。

Musworm4 結局小さいものと併せて4個体捕れた。

確かにマスタードは有効だ。

ただ、まだ実験段階であるが、このマスタード攻撃が通用するのは、地中性のミミズであって、表層性のミミズはマスタード攻撃を与えると逆に土の中にもぐってしまうらしい。

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獣毛観察法

29日の日記で獣毛の同定の資料を紹介したが、今日は獣毛の観察について

リンク先にあるように獣毛の観察には毛の内部構造を見る『透過標本法』と毛の表面(いわゆるキューティクル)を見る『スンプ法』があり、これを組み合わせて同定を行う。

上のリンク先では、キットなどを用いて永久標本を作る方法が紹介されているが、ただ観察するだけならもっとキットを用いず簡単に観察が可能だ。

まず、透過標本法
これは、普段のプレパラートを観察する方法と一緒で、毛を水で封入してプレパラートを作れば一時標本として十分な観察できる。

次にスンプ法
スンプ法は検索すればわかるようにSuzuki's Universal Micro-Printing Methodの略なのだが、これは毛の表面を観察するためだけではなく、繊維表面とか、金属表面とか、皮膚表面の構造を観察する目的でもつかわれているみたいだ。

いったいもともとは何の目的でこの方法が考案されたのだろうか?

以前生物技術者連絡会の29回(だったと思う)講演を聞きに行ったとき、最後の演者の方(記憶が正しければ大野氏か?)が、考案者の鈴木さんとお知り合いで、「鈴木とスタンプを合わせてスンプとした。」とおっしゃっていた気がする。

で、話を戻してと。

スンプ法の一時標本の作り方は、

http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/scicom/bank/002/data1/data1p1.html
http://homepage3.nifty.com/ymorita/omnis7.htm

上記のリンクに詳しい。

まず、スライドグラスに木工用ボンドを小さいカバーグラスを使って、薄く均等に伸ばす(血液塗沫標本を作る要領)。
次に、接着剤が乾かないうちに毛を載せる。
で、乾いたらゆっくりはがす。

そうすると、ボンドが鋳型になって毛のキューティクルを写しとっているので顕微鏡で観察できる。

で、上のリンクによると、木工用ボンドよりも水絆創膏の方が使いやすいそうです。

普通に観察するだけでも楽しいので是非お試しあれ。

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