29日の日記で獣毛の同定の資料を紹介したが、今日は獣毛の観察について
リンク先にあるように獣毛の観察には毛の内部構造を見る『透過標本法』と毛の表面(いわゆるキューティクル)を見る『スンプ法』があり、これを組み合わせて同定を行う。
上のリンク先では、キットなどを用いて永久標本を作る方法が紹介されているが、ただ観察するだけならもっとキットを用いず簡単に観察が可能だ。
まず、透過標本法
これは、普段のプレパラートを観察する方法と一緒で、毛を水で封入してプレパラートを作れば一時標本として十分な観察できる。
次にスンプ法
スンプ法は検索すればわかるようにSuzuki's Universal Micro-Printing Methodの略なのだが、これは毛の表面を観察するためだけではなく、繊維表面とか、金属表面とか、皮膚表面の構造を観察する目的でもつかわれているみたいだ。
いったいもともとは何の目的でこの方法が考案されたのだろうか?
以前生物技術者連絡会の29回(だったと思う)講演を聞きに行ったとき、最後の演者の方(記憶が正しければ大野氏か?)が、考案者の鈴木さんとお知り合いで、「鈴木とスタンプを合わせてスンプとした。」とおっしゃっていた気がする。
で、話を戻してと。
スンプ法の一時標本の作り方は、
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/scicom/bank/002/data1/data1p1.html
http://homepage3.nifty.com/ymorita/omnis7.htm
上記のリンクに詳しい。
まず、スライドグラスに木工用ボンドを小さいカバーグラスを使って、薄く均等に伸ばす(血液塗沫標本を作る要領)。
次に、接着剤が乾かないうちに毛を載せる。
で、乾いたらゆっくりはがす。
そうすると、ボンドが鋳型になって毛のキューティクルを写しとっているので顕微鏡で観察できる。
で、上のリンクによると、木工用ボンドよりも水絆創膏の方が使いやすいそうです。
普通に観察するだけでも楽しいので是非お試しあれ。
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